「チームの力」で日本を再生させる
落選してから2年余り、不思議なもので国政から離れたからこそ、私は政治の大きなうねりが逆に見えるようになってきました。この流れの中で、この日本の経済を再生させるポイントは一体どこにあるか・・・それは「チームの力」にあるので […]
落選してから2年余り、不思議なもので国政から離れたからこそ、私は政治の大きなうねりが逆に見えるようになってきました。この流れの中で、この日本の経済を再生させるポイントは一体どこにあるか・・・それは「チームの力」にあるのではないかと、強く思うようになりました。
私は薬剤師なので、薬局を例に考えてみます。現在薬局経営は、大きな荒波に巻き込まれようとしています。昨年、規制改革会議で「調剤の一部外部委託」に関するガイドラインが厚労省より発表されました。これは、今後年数をかけて調剤業務は薬局から出ていくことを意味しています。遠くない将来、薬局から「調剤室」は無くなり、薬剤師は対人業務強化のための仕事に変わっていき、薬剤師の仕事は現在行っている仕事のやり方とは似ても似つかぬ業務内容に変わって行くことでしょう。
では、今後の薬局・薬剤師はこの荒波にどのように立ち向かって行ったらいいのでしょうか。日本経済も昨年から家計消費が落ち込み、円安で輸入物価は上昇、消費者物価指数は3.3パーセント上昇して、先が見通せない苦しい我が国の状況と、薬局の置かれている状況は、どこか酷似しています。
日本における中小企業の割合は99.7%(2016年経済センサス調査)です。薬局も5薬局以下の中小薬局は48%(2021年日本保険薬局協会調査)も占めています。日本の企業も薬局も、規模の小さな中小企業が中心です。
先が見通せない中小企業が、この苦しい時を乗り切るポイントは「チームの力」しかありません。今後AIやIoTがどんどん発展してくると企業が負担する固定費が莫大に増えてくると予想されます。すると大企業と中小企業の間に元々存在していた体力差は、AIやIoTへの投資によってさらに顕著に現れ、基礎体力のある大企業が有利になることは見えています。人材確保においても同じことが言えます。
労働人口は減る中、例えば産休で休職した職員の穴を1企業で埋めるのは困難ですが、チームを組んでいれば人事交流で乗り切ることも出来ます。今後多職種の方と連携して、業務の質の向上を目指す時も、チームを組んでいれば複数の企業間で融通を利かせながら対応することが出来るようになります。
今後起こるであろう様々な困難を克服し、チャンスに変えていくには「チームの力」を発揮するしか方法はありません。地域の企業が連携して、チームを作るのです。ここで重要になってくるのが、地域の企業の動きを俯瞰で捉えることのできる「商工会議所」の役割りです。
同業種で連携するのか、異業種で連携するのか、地域の特長や目指す方向性を見据えて、どの企業と、どの企業をチームにするか、相乗効果を生むにはどのようにしたらいいのか、その戦略を練るのが地域の商工会議所の役割りになります。そして我が国の最大の特長である「健康長寿」も、チームの力を高める上で使える要素なのです。
逆境に立ち止まるのではなく、将来に大志を抱き、それを成し遂げる技能と忍耐を持った仲間をもつこと。これが出来れば・・・独りで見る夢は夢でしかありませんが、誰かと見る夢は現実に近づく一歩になります。この言葉を自分自身にも言い続け頑張って参ります。