厚生労働副大臣としての災害への取り組み
政治活動

厚生労働副大臣としての災害への取り組み

はじめに、熊本県、大分県を中心とした地震でお亡くなりになられた方々にお悔みを申し上げますとともに、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。 四月十四日の震災当日、私は地震の一報を聞きすぐに厚生労働省(以下「厚労省 […]

はじめに、熊本県、大分県を中心とした地震でお亡くなりになられた方々にお悔みを申し上げますとともに、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。

四月十四日の震災当日、私は地震の一報を聞きすぐに厚生労働省(以下「厚労省」)に駆けつけ、副大臣として時間と闘いながら地震対策にあたりました。
当初は益城町に限定された地震でしたので、住居、避難所、水、食料、医薬品等々と被災地に必要な様々な支援態勢を整えました…しかし翌日の十五日の深夜、再び本震に見舞われてしまい、被災地は一気に広域化し、前日に整えた支援の全てが振り出しに戻ってしまいました。

厚労省での地震対策会議に出席しながら、この非常時に、被災者が求めている物は何か。刻々と変化するニーズを捉えて柔軟に対応できる組織とは、一体どうあるべきか。東日本大震災時の資料を参考にこれまでの対策等を思い出し、必死に考えました。まず優先すべきは厚労省の組織を、リスクを恐れず震災対応に最大限機能する体制をつくる。その為に、組織を俯瞰で眺め、自ら考え全体で協力し合える体制となるように、綻びているところを発見修復し、機能しているところはより力を発揮出来るようにしようと、さっそく行動に移しました。

 具体的に、これからの被災地におけるあらゆる活動においては次の三点を念頭に置き取り組むよう厚労省に指示を出しました。
一、組織力を高めるため、被災地の窓口業務の人員を増強させる。更に現地へは、本省との連携が図りやすく被災地で即戦力になる専門知識を持った人材を派遣する。
二、何事も自治体任せにせず、気が付いたことは積極的に厚労省が音頭をとって取り組む。
特に民間の力も復興に活かして頂けるように、厚労省から直接支援要請を行う。
三、現場の声が厚労省に集まりやすく、相談しやすい、そして対応が早い、風通しの良い組織とする。

さらに「副大臣として出す指示は、具体的に、分かりやすく」ということを心がけました。例えば、避難所の長期生活に耐えがたい災害弱者と言われる高齢者や障害者、子育て中の方々に、一時退避できる場として、ホテルや旅館に部屋を確保して欲しいと指示を出しました。さっそく厚労省は宿泊施設一軒一軒に直接連絡を取り、十四日の夜の段階では、百七施設五千部屋の確保が出来ました。
しかし、翌日の本震で手を挙げてくれていた南阿蘇のホテルや旅館の多くが被災してしまい、再度確認を取ったところ結局七十六施設千五百部屋に減ってしまいました。自治体の混乱もあり被災後暫くは押さえた部屋をなかなか活用頂けませんでしたが、連休の間徐々に移動がなされ、大部分の押さえた部屋を活用頂きました。

非常時に求められるリーダーシップとは、「同じ価値観」を組織内で共有し、その価値観をもとに一人ひとりが現場で自ら判断し行動できる組織体制を整えることである。と、今回の震災対応で私は学ばせて頂きました。

熊本・大分での震災復興も長期化が予想されます。今までの経験を活かし被災された方々の気持ちに寄り添い、一日も早く日常の生活に戻れる道をつけるように、厚労省あげて今後も取り組んでいくことを誓わせて頂きます。