平和を勝ち取るスイスの取り組み
今国会に入ってから自民党では集団的自衛権について検討する「安全保障法整備推進本部による勉強会」が毎週開催されており、もちろん私も参加しています。私は党内で行われる活発な議論を聞きながら、3月にIPU(列国議会同盟:各国の […]
今国会に入ってから自民党では集団的自衛権について検討する「安全保障法整備推進本部による勉強会」が毎週開催されており、もちろん私も参加しています。
私は党内で行われる活発な議論を聞きながら、3月にIPU(列国議会同盟:各国の国会議員のよる会議)に日本の国会議員の代表として派遣された際に、スイス・ジュネーブ州のベルネを訪れ民間防衛を視察したことを思い出しました。
スイスは、ご存じのように「永世中立国」です。
永遠にどの国にも与せず中立であることを宣言した国家には、軍事力は存在しないのでは・・・と一瞬考えがちですが、現状はまったくの逆と言ってもいいくらいの態勢を整えています。スイスは、強力な軍事力を維持することによって、他国に攻め入られないようにして独立と平和を守っている国家なのです。
ベルネではシェルターと民間防衛の訓練施設を視察しました。ちなみにスイスではシェルターは最近まで建物すべてに備え付ける事が義務化されており、今でも国民約800万人に対して860万人収容できるシェルターを備えています。シェルターでは、外部から全てのアクセスが遮断されても、孤立しても2週間は生きていける設備と食料を備蓄することが決められているそうです。
私が訪れたシェルターは、公共施設の下に造られた司令塔の役割を担っている施設で、ここは放射能以外にも、戦争やバイオテロ、耐震などの自然災害にも対応できるようになっていました。
20センチくらいの厚い扉を4枚も潜って、やっと地下にある室内に入ると、司令室・仮眠室・食堂・会議室・シャワールーム、そして設備として自家発電機、空気清浄機などがありました。
視察中、今時見かけない骨董品のようなテレビやラジオが置いてあったので、「なぜこんな古い電化製品を置いてあるのですか?」と聞くと、驚くべき答えが返ってきました。「最新の機器だと故障した際に、自分たちで修理できないからです。ここでは、シェルター内の人々だけで何事も乗り切れるように、敢えて古い最低限の機能しか持たないものしか置いてありません。発電機も、空気清浄機も最後には人力で使えるようにしてあります。」と答えてくれました。
平和を維持するのは、こんなにも大変なことなのか・・・「平和が大切!」とさえ訴えてさえいれば、何も努力しなくても平和が自然に手に入るものという価値観は、そろそろ変えていかなくてはいけない。
世界の中で、日本が平和を維持するにはどうすべきか、改めて考えさせられたスイスの視察でした。