教育と人材
先日、ある沖縄のラジオ番組の取材を受けました。この番組は10年前に放送が始まり、私が第一回目のゲストとして出演させて頂いて以来、今回で3回目の出演でした。番組が始まり、まず「現在の沖縄をどのように見ていますか?」との質問 […]
先日、ある沖縄のラジオ番組の取材を受けました。
この番組は10年前に放送が始まり、私が第一回目のゲストとして出演させて頂いて以来、今回で3回目の出演でした。番組が始まり、まず「現在の沖縄をどのように見ていますか?」との質問を頂きました。私は「ジャンプをする前の、身を屈めている状態だと思っています。
つまり大きくジャンプするには、力を溜めた方が当然大きく飛びあがれます。外から見れば、まるで体が小さくなったように見えてしまいますが、沖縄の皆さんは周りの目を気にせず、今は思いっきり身を屈め、将来のジャンプに備えて力を溜めてください。」と応えました。次に『それでは沖縄が将来大きく飛びあがる為には、何が必要だと思いますか?」の問いに、私は「教育です!」と即答しました。「沖縄は世界で有数の素晴らしい自然の宝庫。そしてアジアのハブにもなれる立地を持ち、誇るべきソフトパワーの文化力も持っています。これらの強みを最大限活かすことが出来る『人材』を育てる事が必要だと思うのです。国からの補助金は、集中的に人を育てる『教育』に投資すべきです。」と答えました。
琉球王国の礎を創った蔡温(1682~1761年)は、次のような言葉を残しています。
「目先の課題に対処する小計得(こはからえ)では、この国を安定させることはできない。琉球の長久を目指すためには、大計得(おおはからえ)を堅持することが必須条件である」と。目の前の損失を見るだけの短慮=「小計得」に陥るのではなく、将来を冷徹に見通す遠慮=「大計得」を持つことが、王国経営の命題なのだという意味なのです。(高良倉吉編著 中央公論新刊「沖縄問題」より) つまり「目先の損得に惑わされるのではなく、将来を泰然と大きく見通す力を持つ人材を備えることこそが、国の将来を決する」とも読み取れると思います。実はこれは沖縄だけの課題ではなく、今の我が国全体にもふさわしい教訓だと思います。特に小さい頃に学んだことは 記憶の底に残ると言われます。政治家として「将来を見通す力」洞察力を身に付けさせる人材育成に取り組みたいと考えています。森友事件で大騒ぎしている現状を見ながら改めて『教育』の在り方を考えさせられた私でした。